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その他(食)

その73.子供に与えたくない食③ 加工食品(化学合成添加物) 子供が好きなものに危険がいっぱい!

生理学博士 久間英一郎

本稿を書こうとしていた所、12月16日の日本経済新聞夕刊に次の様な記事が出ておりました。
 「食物アレルギーのある公立小中高校の児童生徒が全国で約45万4千人(全体の4.5%)に上ることが16日、文部科学省の全国実態調査で分かった。2004年の前回調査の約33万人(同2.6%)に比べて約12万4千人増加。」(率の伸びで約1.7倍)という。そしてアナフィラキシー(重症)化してきたという。
 その原因には食の問題や生活環境の問題など考えられますが、今回の加工食品(化学合成添加物)も間違いなくその一つに挙げられると思います。
 現在我国では、食品添加物は何と1500種類以上存在しており、一人一年に4〜7kgも摂取していると言われております。
 では、食品添加物はどの様な必要性の中で登場したのか?豆腐を例にとって大阪府立大学名誉教授武者宗一郎先生の言葉を借りると、「豆腐の製造は典型的な家内工業であり、豆腐屋は「その日のうちに売れる分」だけしかつくらないものでした。消費者も、豆腐は豆腐屋で買うのが常識だったといってよいでしょう。それがいつのまにか総合食料品店、スーパーマーケットの食品売り場でも売るようになり、朝や夕方、街中を売り歩く豆腐屋さんの姿もほとんど見かけなくなりました。こうした豆腐販売の大きな変化をもたらしたのは、大量生産方式の豆腐工場の出現であり、これを可能にしたのが食品添加物なのです。」
 つまり、企業の経済論理(大量生産によるコスト削減と賞味期間延長)に始まり、その便利さに消費者が飛びつき、冷蔵庫の普及が後押ししたのが加工食品(食品添加物)の激増に繋がったと言えるのです。
 食品添加物は、そのほとんどが化学的に合成された物質で人体にとっては異物です。ですからアレルギーが出るのは当然で、他にも発ガン、催奇形性(奇形を作る働き)、遺伝毒性、肝臓障害などが指摘されています。(危険性が確認されて使用禁止になったのもあります。)
 現在の子供達は、戦後の添加物だらけの加工食品で育った世代の子供もしくは孫の世代にさしかかっています。親の体内で添加物の有害性が濃縮されて子や孫の遺伝子に受け継がれていく危険性が大いに憂慮されているのです。一つひとつの有害添加物の量は少なくても多種長期の摂取となると、これらが複合汚染し、様々な病的症状を引き起こすことになるのです。
 化学添加物の使用目的は、日持ちの延長に留まらず、今日では食品の発色効果、見ばえ、食感触感の向上、うまみ、香り、保水性、つなぎ、出来高向上など、消費者の購買意欲をイヤでも刺激するほど自在に拡がっています。
 特に心配は、「子供の好きな食品ほど危ない!」ということです。裏を返せば、企業論理にしてみると"三子の魂"、子供のうちに胃袋を掴むと将来のマーケットが約束されるという訳です。
 チョコレート、ケーキ、アイスクリームのトッピング、クッキーにジュースにコーラ。ハンバーガーにポテトフライ(チップス)、さらにハム、ソーセージにふりかけ、かまぼこ、インスタントラーメン等々にはたくさんの着色料、保存料、化学調味料、人工甘味料、酸味料、酸化防止剤、乳化剤等々様々な化学合成添加物が使われています。食パンにもたくさん使われています。子供達の健康を守るためにも、中学生位までのお子様の食生活には、やはりお母様に原材料表示をチェックいただくなど気をつけていただきたいものです。
 そして可能な限り食材をギンミしてお母様の"手作り"で調理したものを子供達に提供して欲しいものです。
 どんなに企業がオイシイ広告を出そうとも、どんなに外国から安い食品が来ようとも、「有害食品を追放することができるのは、もはや政府でも学者でもない。それは毎日、食品を買い、消費している生活者一人ひとりの心がまえ」(武者宗一郎先生)が必要です。
 魚やコンブでダシを取り、塩や醤油、味噌などで味付けする日本の伝統食には添加物が少ないことを書き添えます。

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