ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

その他(食)

その14. 「食」にも"リズムとメリハリ"が重要

生理学博士 久間英一郎

全日本サッカーのトルシエ監督は、日本人サッカー選手のゴール前での決定力(集中力)不足を嘆いて次のような趣旨のことを言ったと数カ月前の朝日新聞の『天声人語』に紹介されていました。

『日本人選手は、ゴール前でのハングリー精神にかける。それは、24時間、食物が売られているからだ』。いかにも食にこだわり、食を自慢してきたフ ランス人らしいと言えるが、確かに日本では、ここ十数年コンビニが激増し、24時間いつでも食物を買うことができます。本稿では、コンビニの食の質をうん ぬんすることでなく、24時間売られているため、それが日本人から食のリズムとメリハリを奪っている、すなわち、多い間食、だらだら食、その結果空腹感の ないまま次の食事に入る等々のダラクした食生活が蔓延している事実を指摘したいのです。

そしてこれが健康上非常に問題なのです。だらだら食の人の胃は、休むことなく絶えず働き続けることを余儀なくされ、その結果、胃の塩酸は薄められ、 通常だったら患らなくてもよいO‐157等の菌にも負けてしまうなど、抵抗力を落としてしまうのです。また、例えば糖尿病の人の場合もだらだら食をする と、体内のインシュリン製造工場は絶えず操業を余儀なくされ勤続疲労するところとなります。

日本綜合医学会永世名誉会長の沼田勇博士は、戦時中軍医として中国に行かれた時、流行していたコレラから日本兵を守るために食事に湯水を与えなかっ たと言います。そうすることによって神から与えられた殺菌力(胃酸)を一切薄めることなく、最高に発揮させることによって兵士をコレラから守ったのです。 今、私たちは、このタダでできる先輩の知恵にしっかり学ばなければなりません。

食は、一日の決まった時間帯に食べ、毎日空腹を感じて(そして感謝して)食べることが重要なのです。そして睡眠前の約三時間は何も飲食しないで胃腸を休ませてあげていただきたいのです。

食にも「リズムとメリハリ」をつけて健康ライフをエンジョイしてください。

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