ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

選食

その8. 「選食」の視点④ "5対2対1"

生理学博士 久間英一郎

選食の視点として「一物全体食」、「身土不二」、「旬」についてこれまで書いてきました。今回は、5対2対1。一体何のことかと思われる方も多いと思います。これは、食物を大別して(1)穀類、(2)野菜類、(3)肉類をどのような比率で食べたらよいかという目安を示しています。さて、この5対2対1に先の穀類、野菜類、肉類のどれが該当するか、皆様それぞれ考えてみてください。そうです、穀物が5、野菜が2、肉が1の比率で食物をとるのが理想的なのです。では、なぜこの比率なのでしょうか。それは、それぞれの動物の食性からきているのです。そしてその食性を端的に表しているのが食の取り入れ口である口であり、その主役が歯なのです。図1は豹(ひょう)の歯です。肉食の豹は肉をひきちぎるのに都合がよいように犬歯が非常に発達していてしかも歯の間隔があいています。これに対し、ヒトの歯(図2参照)は、上下それぞれ門歯が4本、犬歯が2本、臼歯が10本となっています。そして10本の臼歯は穀物をすりつぶすのに都合よく臼状をしてしかもすき間なく並んでいます。 4本の門歯は野菜をかむのにふさわしく、2本の犬歯は肉を食べるのにふさわしいのです。10対4対2、すなわち穀物が5、野菜が2、肉が1の比率で食べるのが一番ふさわしいようにヒトの歯は進化してきています。ヒトは間違いなく穀物菜食動物なのです。1977年、ガン、脳卒中、心臓病が激増した原因を調査したアメリカ上院栄養問題特別委員会報告(マクガバン報告)の結論もほぼ右の5対2対1に近い比率を理想的としています。読者の皆様も5対2対1に近づき、そして腹八分で健康ライフを送って欲しいものです。
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