発酵食品
その1. 牛肉1kgとたくあん三きれとはではどちらが重い?
生理学博士 久間英一郎
大阪医科大学元学長、山中太木博士は、医学を志す新入学生歓迎スキヤキパーティ で学生達に次のように質問されたそうです。
「牛肉1kgとたくあん三きれとではどちらが重いか」と。学生達は、「牛肉1kgが重い」と答えました。そこで博士は、「計りで計った重さならその通りである。問題は医学上の価値においてどちらが重いかということである」と言われた所、学生達は黙ってしまいました。そこで博士は続けました。「たったたくあん三きれといえども牛肉1kgに匹敵する。牛肉は、たくあん三きれがあって始めてバランスがとれて調和しているのだ。つまり、このたくあん三きれが牛肉1kgの"毒気し"になるのだ。諸君は、今後このような視点に立って医学の勉学に励むよう期待する」と。
何と素晴らしい訓示でしょう。本当の医学とは、「食」を基礎においたものでなくてはなりません。勿論、このたくあんは、化学添加物漬けのものではなく、天然糖床で育まれたものであることは当然のことです。牛肉は、腸内悪玉菌を繁殖させるのに対し、糖床の発酵微生物は腸内善玉菌の繁殖を助けるのです。日頃から健康のために発酵食品(ミソ、醤油、納豆、ヨーグルト他)を積極的に取り入れるよう心がけたいものです。
山中博士作"たくあん十徳"を掲げます。
一、たくあんは、一杯のお茶に和して心身を爽快にする。
一、たくあんは、食欲をすすめて胃腸を丈夫にする。
一、たくあんは、脈博を整えて心臓を強くする。
一、たくあんは、不足を楽しんで感謝の心を養う。
一、たくあんは、邪気を払って諸毒を消す。
一、たくあんは、安価にしてビタミンや酵素を補う。
一、たくあんは、津々浦々の全家庭になじんで人を愛す。
一、たくあんは、活きた食べ物にして人生に活を与える。
一、たくあんは、先哲の道に叶い考えを明快にする。
一、たくあんは、醍醐味を与え不老長寿を恵む。
合掌