ガン選食
その112.全ての常識を疑え、そして 自分で調べ自己責任で決断すべし
生理学博士 久間英一郎
本誌105号と107号に書きました「膵臓ガン危機脱出養生記」の概要が健康雑誌『壮快』11月号に紹介されました所、多くの反響(質問)をいただきました。
そこで今回は、どのような考えに基づいて食養生に徹する選択をしたか、その裏側の一端を書いてみたいと思います。
因みに、今回初めて読まれる読者のために、この「養生記」の概要を書きますと、「'17の定期健診で膵臓ガンの腫瘍マーカーであるCa 19-9が充分に膵臓ガンのレベルである523(正常値は37)だったのが、たったの50日間の食養生だけで62まで下がり(半年後に正常値)、そしてMRI検査でも「多少の腫れは見られるもののガン細胞は認められない」との診断を得たというものでした」
私のこの40年近くの最大の関心事はガン対策でした。ガン先進国アメリカの動向に注目していた私は、1977年に発表された『マクガバン報告』に衝撃を受けました。なぜなら同報告は、それまでの常識的ガン治療法(手術、抗ガン剤、放射線)に鋭い疑問を投げかけ、栄養すなわち食事の間違いがガンと関係が深いことを指摘し、栄養療法の重要性を強調したからです。
加えて、それ以前から国際自然医学会の森下敬一博士や岐阜大学元教授・千島喜久男博士は「腸造血説」を展開し、食物が腸で血液となり、身体を回って体細胞となる(正しい食物を摂るとキレイな血液ができ健康な細胞ができる)と発表していました。
近年になって、某医学会で作家の五木寛之氏の講演を聞く機会がありました。氏は「全ての常識を疑え!」と言いました。Aが身体にいいとなると次にはAはよくない、Bがいいとなると次にはBはよくないという風に常に相対する学説が登場する。このような中で、一度きりの人生を悔いなく生きるために全ての常識を疑うことが大切だと主張します。そして各自が納得できるまで調べて、できれば試してみて、最終的には自己責任において決断することが重要だと言います。
以上の考え方が背景にあり、宣告の日('17.3.17)を迎えました。顧問ドクターに喫茶店に呼び出され、「全ての情報からみて限りなく膵臓ガンの可能性が高い。紹介状を書くので至急大学病院でMRIの予約をしてください」と。外は何も知らない桜が無邪気に咲いていましたが、私の心中は乱気流。でもすぐに態勢を立て直し、「検査は受けますが、どんな結果であろうと治療方針は自分で立てたい」と申し出て了解をいただきました。
前述の背景がありましたので、家に帰り着くまでに今後の方針は決まっていました。徹底した食養生です。ですから病院の検査日をできるだけ遅くし、少しでも食養生の期間を長くとって腫瘍マーカーを半分以下にが数値目標。そこで検査は4月28日に決定。
私が考えた食養生の二本柱は、徹底した腸内浄化と代謝促進です。平たく言いますと、腸をキレイにしていい血液(細胞)を造り、病んだ細胞と素早く入れ替えるだけのことです。
さきほどは全ての常識を疑えと書きましたが、ここには、疑ってはならない真理・哲理があると考えます。
一つは、ヒトは食物からできている。すなわち食の"化身"であること。もう一つはヒトの体は入れ替わるということです。
人が作った常識は常に疑いに耐えて進化すべきもの、神が作ったヒトの身体は真理・哲理。疑うことなく尊重されるべきものと考えます。
古代ギリシャの医聖ヒポクラテスは約2500年前に次のような言葉を遺しています。「食で治せない病気は医師でも治せない」「全ての病気は腸から始まる」これは人が作った言葉ですので疑うべき言葉かもしれませんが、2500年後にも光り輝くこの生命力には平伏すばかりです。もはや真理・哲理とも言えるでしょう。
以上の食養生により、おかげ様で私は50日後にはCa 19-9は半分どころか1/10近い62まで下がり、半年後には正常値まで下がりました。
広く皆様のお役に立たせていただく決意をもって感謝に代えたいと思っております。